The Last Thing He Told Me「彼が残した最後の言葉」 : Hello Sunshineプロジェクトなので見るも苦しいAppleTV作品

「彼が残した最後の言葉」は、ハンナ(ジェニファー・ガーナー)が、謎の失踪を遂げた夫を捜すため、16歳の継娘ベイリー(アンガーリー・ライス)と関係を築かなければならない女性を描いています。 このシリーズは、絶賛されたベストセラー小説に基づいており、著者ローラ・デイブとシリーズ共同制作者のジョシュ・シンガーが制作および脚色を行っています。 ガーナーは、『ハロー・サンシャイン』のリース・ウィザースプーンとローレン・ノイスタッターとともに製作総指揮も務めている。(以下英語簡易訳、日本Apple TV Website

Limited series “The Last Thing He Told Me” follows Hannah (played by Jennifer Garner), a woman who must forge a relationship with her 16-year-old stepdaughter Bailey (played by Angourie Rice) in order to find the truth about why her husband has mysteriously disappeared. Based on the acclaimed bestselling novel, the series is created and adapted by Laura Dave, alongside series co-creator Josh Singer. Garner also serves as executive producer alongside Hello Sunshine’s Reese Witherspoon and Lauren Neustadter. (Apple TV Website)

感想:おすすめできないが、ボートハウスは魅力的

アメリカでは、2023年4月14日、Apple TV作品として配信開始しました。全7話シリーズで、最初2話分まとめて配信され、その後毎週金曜日に1話ずつ配信されたスタイルです。

これはよく見るパターンなのですが、前半一気見させて、後半は昔と同じように毎週配信することで、1ヶ月近くに渡って温度感を保ちますそして解約を防ぎます←ここ絶対重要ですよね、だって大体月を跨ぎますから!

この他の利権やお金等色んな背景や理由があるにせよ、個人的には割とこのスタイルが好きです。ゆっくり作品を消化できることと、自然と愛着もわきます。全話配信されてしまうと、やっぱり一気見してしまうので、徹夜気味になるうえにオーバードースで、翌日二日酔いみたいになり、そして、翌々日には忘れて過去の作品になってしまう。それが寂しいので、作品にお金の糸目ない私としては賛成派です。

まずこの作品、予告編はしっかり期待を持たせて、第1話は良かったです。若干、登場人物のキャラクターがあるようでなく、台本のテンポが悪いものの、全7話あるので持ち直してくれるかなあという期待も持っていました。

でも、結局、第1話がピークでした・・・。もっと言うなら、予告編がピークですね。予告編のイメージが先走ったかもしれない作品です。

第3話以降は、目に見えての下り坂。キャラクターが発展せず、台本も一辺倒、ストーリーや背景も膨らまず、「それっぽい」似非雰囲気で延々進みます。そして、最終話の第7話の完結のしなさに至っては、ここ数年でトップクラス級に適当ですw。あれで納得した人はいるのでしょうか。

とは言え、最後まで見た、これが最大の強みに感じました。何となく見られた理由には、1話が30分程度、プロダクションのクオリティがいいといったところかもしれません。

主人公が住んでいたボートハウスのセットが綺麗で、インテリアとボートハウスのザ・アメリカ上流階級感は手触り良く、内容の薄さをカバーしていたと言っても過言ではありません。「うわー、ハローサンシャインっぽい!」とすら思ったのですが、第3話あたりから主人公が移動するのでロケ地も変わり、このボートハウスすら二度と出てきません・・・第1話のフックにして、そのあとは予算問題か?って疑いたくなるほどです。

調べていたら、このHouse Beautifulのサイトが一番ロケ地の写真が載っているようです。ただ、実際の映像クオリティで見た方が良い印象でした(上記YouTubeの予告編で出てきます)。

(2023/5/28追加)Hello Sunshineのインスタにボートハウスセットが公開されました! 

気になるキャストの今後

主役はジェニファー・ガーナー。90年ー00年代を通った身としては、懐かしい!って感じです。ベン・アフレックの前妻、「パール・ハーバー」や「13ラブ30」が印象深いですが、今でも定期的に映画出演しています。

今回の作品に関するプロモーションやインタビュー見ていると、ジェニファーは原作となった本が好きで、どうしても主役を掴みたかったのでプロデューサーに熱烈なお手紙を書いて、ようやく役を獲得した、と話してます。

「マジで!?」全くそれに値しない作品に感じてますが、本当にジェニファーが好きな本で、Hello Projectバックアップなのであれば、食いつくのも不思議ではないです。そして、競争激化する環境で、50代に突入しているジェニファーが獲得できる役の幅は限られているであろう、といったところを考えますと納得できます。

ただ、こういう発言をしてしまうとジェニファーの作品眼的なところはどうしても疑問が残ってしまうので勿体無いものの、プロモーション活動をするにあたっては必要なトークでもあるので、ああ!難しい!ハリウッドでの生き残り競走!いま残っているだけでも、凄いお話ですね。

ちなみに憶測でしかないですが、ジェニファーの顔が典型的なボトックスか整形後の顔?をしていて、若干気が散ってしまいました。みんな同じ顔になっていく印象で、表情がなくなるのがもったいないです。ただ90年代のハリウッドスターは割と手を染めている印象があっって、色んなプレッシャーもあったのかな、やり始めたら止まらないのかな、とか邪推してしまいます。

そのジェニファーの親友役をアイシャ・タイラーが演じていて、どこかで見たことあるなあとモヤモヤしてましたが、フレンズでロスの恋人役だったチャーリーだ!と思い出してスッキリでした。彼女も色んなインタビューでこの仕事を引き受けたのは、本を知らず、Apple TVで、Hello Sunshineプロジェクトで、ジェニファーガーナーがいるからとハッキリ言っているので、作品に惹かれたわけではないのが伝わって少し安心します。

最後に、今回気になったのは、娘役を演じたアンガーリー・ライス。透明感あって好きです。この作品は脚本が酷いので、ずっと無駄にぷんぷんしている役で引き出せていないので、他の作品を見てみたいと思います。

調べたら22歳でした。それで高校生の役はナイスファイトでしたね。ちなみに、彼女の彼氏がアジア人設定で、韓国人俳優John Harlan Kimなのですが・・・30歳!!アジア人は若く見えるといっても、見たときに「高校生だよね?」と思ったことは否めません。

ダイバーシティーを優先した結果と思いますが、彼氏役の設定が昔の白人彼氏のイメージそのままで、そこは進化していないんだ!っていう印象です。白人家庭の高校生娘の彼氏役でフットボール奨学生、この設定をアジア人が担う時代がきました。都会ならまだしも、まだまだ当たり前ではないようには思いますが、私たち純アジア人側としても100年後の未来には違和感なくなるのかな、とアジア人なりに期待したりしてます。

Hello Sunshine制作の引き

そもそも、なんでこの作品を観ようかと思ったかは、Hello Sunshineプロジェクトだからです。

Hello Sunshineはリース・ウィザースプーンが立ち上げた制作会社であり、「We believe in the power of story to broaden perspectives and change the world for women. 私たちは女性にとって、視野が広がり、世界を変えることができるストーリーの力強さを信じています。」と掲げており、女性を中心とした作品作りに取り組んできています。

これまでも、エミー賞やゴールデングローブ賞を受賞したニコール・キッドマン他多数の「ビッグ・リトル・ライズ」、ジェニファー・アニストンの「ザ・モーニングショー」、ケリー・ワシントンの「リトル・ファイアー〜彼女たちの秘密」など、大ヒット作を生み出しています。この3作品の共通点は、強い脚本と有名な演者、そしてプロダクションクオリティの高さにあります(と信じている)

2021年にリースはこの会社を売却しているのですが、今でもプロデューサーとして関わっており、この作品もプロデューサーに名を連ね、プロモーション活動も積極的に関わっていました。

なので、期待!したのですが・・・見事に期待を裏切られる形に。仕方ない、全て当たり続けるなんて無理ですよね。

それでも、これからもリースのプロジェクトを楽しみにしています。

補足:原作となった書籍

原作の書籍はこちら。このドラマが良ければ読もうかと思ってましたが、色んな人の話を聞いている限り、本も変わらなそうなのでお見送りしようかと思います。ただ、The New York Timesベストセラーで8週連続#1を誇る本ではあります!もしご興味あれば。