M-1グランプリ2019決勝〜過去最高の大会が生み出した令和の新星ミルクボーイ

遅ればせながら、新年明けましておめでとうございます。

とっても昔に感じますが、昨年、2019年12月22日(日)、第15回令和初年度M-1グランプリ2019が開催され、視聴率関東17%と関西27%を取るほど注目される中、幕を閉じました。

過去最高レベルの大会でしたね!見ていて本当にウキウキしました。

散々余韻に浸り、M-1関連のラジオ、配信、テレビのコンテンツを漁りまくりw、気持ちもまとまり、年末年始のバタバタを越えて、まとまった時間が取れたところで、時遅しですが、超自己満足の備忘録です。

とりあえず、決勝戦の感想を。

本当は敗者復活戦から、一連の流れの感想を書きたいなあと思っていたのですが、ムリムリムリ、と気づきました。思いが前のめり過ぎるのと、全然時間が足りないw。

全て勝手な個人の感想でありますのでご容赦ください。ごめんなさい。好きなだけなんです。

あと、かまいたちのファンなので、全体的にかまいたち寄り(&その同期寄り)のまとめになっていますw。

なお、準決勝と同じネタしていた組が多く、その感想は準決勝ライブビューイングみたときにも記しましたので、こちらからどうぞ。(M-1グランプリ2019決勝進出ファイナリスト決定〜初の準決勝ライブ&ディレイビューイングの感想レポート

決勝戦 -First Round

  • 名前をクリックすると感想に飛びます。
  • あくまでも至極勝手な、一お笑いファンの個人の感想です。勝手な見解、勝手な解釈満載です。
  • 結成年数は数え方次第で少しずれているかもしれないです。
  • 一部ネタに触れています。
順位笑神籤順コンビ名ネタ上沼松本礼二富澤志らくオール巨人合計
10位1ニューヨークラブソング90828888909187616
2位通過2かまいたちUFJ95959493959593660
4位3敗者復活和牛内見92929391969692652
8位4すゑひろがりず合コン92899190929192637
6位5からし蓮根教習所94909390899093639
5位6見取り図第一印象94919391949294649
1位通過7ミルクボーイコーンフレーク98979697979997681
7位8オズワルド先輩と後輩94909491898991638
9位9インディアンス彼女ほしい94889290878992632
3位通過10ぺこぱタクシー96949294919493654

「漫才ジョーカー」ニューヨーク

ようやくチャンスを掴んだ、結成10年の吉本興業。

まさかのトップバッター!?って思ったものの、結果的に彼らがこの大会を爆発させた着火剤となりました。

準決勝と同じ「ラブソング」ネタ。後日いろんな人が言ってましたが、テレビ向けに改良され、彼らの意地悪さのユーモアが引かれていたので、ファンの方は物足りなかったかもしれないですね。

でもやっぱり、これは彼らの作戦勝ちだと思っています。歌ネタを選ぶことで、高得点を狙えないリスクあったとしても、他と差別化して今年の決勝切符を手に入れるには、この手法で良かったはずです。

歌わなそうな嶋佐さんが歌って、「はあ?」のテンションで絶妙なタイミングで入ってくる屋敷さんのテンポは割と好みです。

準決勝のライブビューイングで長めに記しました。(M-1グランプリ2019決勝進出ファイナリスト決定〜初の準決勝ライブ&ディレイビューイングの感想レポート

空気が定まらない中、歌ネタで幕開けしましたが、凄く温かいお客さんが入っているな~ってテレビを通して分かりました。

終わった後に、松本人志から「楽しんでるニヤニヤしたツッコミは如何なものか。好みじゃない」と、まさかの初っ端から叱られ枠となり、「最悪や!!」と勝負に出た屋敷さん。

久しぶりの展開だったので、おおおおと見てましたが、普段からの尖ったキャラクター、10年間この舞台を夢見て、決勝進出を決めた時に泣きじゃくってた屋敷さんだからこそ良いなあ、と。

後ろ向いて拗ねたり、最後までやり遂げたガッツが讃えられてますが、何より「松本さんに好みじゃねえって言われました。一番凄い人でしょ?」的なことを今田さんに放っていたのが最高でしたw。はい、屋敷さんがよく分かっている一番凄い人ですw。

「絶対降りないようにしようと思った」と屋敷さんがThe NIGHTで打ち明けていましたが、果敢に向かう姿を見せ、みんなの闘志に火をつけた立役者だったように思います。今年は若手が来るぞ!って波を作りました

M-1リハーサルでも、本番でも、その後TheNightネタ披露でもトップバッターを引いたニューヨーク。今年成るべくしてなったトップバッターでしたね。

松っちゃんも「俺の話を聞けー!」って叫んでたりw、NON STYLE石田さんが岡村さんのラジオでニューヨークは言うこと聞かないとコメントしてましたがw、持ち味ですからね。そういえば、KOC前の劇場イベントでも、かまいたち山内さんがアドバイスしてるのに、全く聞き入れずに反論ばっかりしてたなーw。

でも気になっちゃう。そんな存在がニューヨーク。

ふとした時に「れいせ~い」って歌っている自分がいますよw。

「憑依する漫才」かまいたち

今年の決勝メンバーでは古参者側。先輩と実績の意地を見せなければいけないラストイヤー戦士。結成15年の吉本興業。

2番手と言われた時は、声に出して「マジか!」と。まさか、こんなに早く順番が来てしまうとは。

敗者復活戦から吹いていた若手への風。

敗者復活では、2, 3, 4番手が囲碁将棋(ラストイヤー)⇨天竺鼠(ラストイヤー)⇨和牛のバトンで消化され。もうこの流れは避けられなかったですね。

披露したのは「UFJ」ネタ。これは、おそらくファンでなくても知ってる、かまいたちのテッパンネタ。2019年4月の第54回上方漫才大賞奨励賞もこのネタで勝ち取り、過去2年、2本目の最終決勝戦のために控えておいていた、彼らの最終兵器。

今まで何度も寄席や予選、色々なところで見てきましたが、これまでで一番良かった!と思える形でした。

良かった大きな要因としは、濱家さんの芸風が広がったからと思ってます。

東京進出以降、初めてイジられキャラに転じたことで、濱家さんの驚いたりビビったりする演技力が板についたこと。

また、これまでは濱家さんのツッコミは怒鳴りつづけている印象でしたが、声量のコントロールがすごく利くようになって、表現のバリエーションが増えたこと。「全部俺のせいにしてるっ!」も確実に大阪時代だったら出てこなかった言い方のような気がします。

昨年と見違えるほど、濱家さんはこの一年で自信をつけ、一際垢抜け、シュッとして画面映えする上に、ツッコミがキレッキレでした。この変化が底上げした鍵だったと思います。

ステージを大きく使って、濱家さんが恐怖に慄き、おどおど戻るところも、188センチあるから面白い。山内さんが濱家さんを見上げる形になるので、すごく訴えているように映るのもプラス。この身長差がコントでも漫才でも安定感と面白さを生み出しています。

そして、漫才の技術だけでなく、山内さんの「どう乗り切る気?」の持って生まれた面白い顔。あの顔、最高じゃないですかw。かまいたちを好きになったのは理由の一つでもある、この山内さんの無敵っぷりにいつも惚れ惚れしてます。一番好きな芸人さんは山内さんです。

M1決勝進出初年度だった2017年は、KOC優勝した年でもあり、勢いに乗って、終わった後の平場で笑いを取りに行ったり。2年目の2018年はネタの仕上がりも良く、自信満々で過信すら見え隠れしていましたが、今年は全てを経験した上での進化と成長

ただただ謙虚に真摯に取り組み、地に足をつけた実力者の三度目の正直でした。

2番手とは思えない、軒並み並んだ高得点。昨年厳しい言葉をいただいた志らく師匠からの「参りました」と添えられた優しい表情が印象的。これまで酷評いただいた小朝師匠や志らく師匠の落語家バトルがあったからこそw、今がありますね。

上沼さんが「彼らは大したこと言ってない」って言ってましたが、そこはきっとそう。大阪時代は年間2~300本以上のロケをこなし、商店街から無人島まで、今ではラジオでもロケするほどw、ありとあらゆる状況下で腕を磨き、何もないところから常に笑いを作ってきた百戦錬磨の賜物です。

このあと、敗者復活枠でM-1モンスター和牛が襲来することになるので、結果的にこの出順で終わらせていたことは本当に運が良かったですね。

そして、前のニューヨークがツッコミを指摘されたことで、いつもより濱家さんが山内さんにゲラゲラツボらず、バランスよく怒りと笑顔を使い分けていて良かったです。出番前に指摘を聞けたこともラッキー。少しだけツッコミの調整が入ったような気がします。

ラッキーが重なりました。

(賞レースなので流石にゲラゲラはしないと思ってましたが。でも、普段の劇場見ていて、濱家さんが笑い過ぎているのがあざとくなってないかな~と心配してたので・・w。確かにずっと怒っている漫才も辛いですが、あまりにも笑っていると、ゆるゆるイチャイチャ漫才なので私も好みではないです。)

「敗者復活からの追撃」和牛

やはりきました。M-1モンスター和牛。結成13年の吉本興業。

敗者復活戦の一般投票で大差の票をつけて勝ち上がってきました。人気投票と言われてそうですが、敗者復活戦を見ていれば完成度からしても、納得の結果だったかと思います。(天竺鼠が儚く散った余韻はまだあります・・・)

敗者復活戦で既にかけた「内見」ネタ。3本ではなく2本に絞って勝負してましたね。CM中に急いで移動して出番に備えなきゃいけないため、バタバタした勢いもあってか、テンポが上がっている印象でした。

それにしても、敗者復活者は劣悪条件に加え、いつ呼ばれるか分からないのは、かなりハードル高い仕組みになりましたね・・・(見ている方はワクワクして楽しいのですがw)。

新しい構成や要素も取り入れ、1秒も無駄なく進むあまりの流れの良さ。相変わらず川西さんが歌っているように聞こえるレベル。早口なのにしっかり、全ての単語が粒のように聞こえてくる話術(いいねっ!)。AIのよう。

私の好きな所作は水田くんの麦茶のくだり。水田くんが麦茶を二つ持ってきて、1つは川西さんに叩かれ落ちたテイ、もう一つは喋りながらゆっくり置きます。動作をきちんと完結させる、そういう丁寧な情景や演技力あって、彼らのコントは漫才で見る価値があると思います。コントのセットより世界観を出せてしまうのです。

丁寧で、声もよくて、ビジュアル的にもテレビにハマる彼らは、ここ数年のM-1の格式を一気にあげた功労者。少し和牛からは離れていましたが、改めてこのコント漫才の完成度はエグいな、と。

いつも完成度の高さに舌を巻きますが、ただ、なんでこんなにダークなんだろう?と思って終わり、そこまで笑っていない自分がいたりします。

水田くんのネタ作りは元来、皮肉やネチネチを生かしたカラーではありますが、賞レースで見るには、いつもちょっとだけ悲しいワードとテーマが飛びます。

今回の「100%事故物件」、昨年は「オレオレ詐欺」と「ゾンビになったら殺してくれ」。その前の旅館は、お客も女将も底意地悪い者同士の戦い。ウェディングプランナーも晴れ舞台の失敗。まなみちゃんとのドライブデートも「落ちて死ね」が川西さんの最後のツッコミです。

どこか根底的にダークさが幕を張り、最後の2%くらい突き抜けて笑わせてくれない感じなのが、いつも引っかかってます。

そこが持ち味でもあるでしょうから、私の好みかもしれませんが、金メダルを取るにはこの2%の明るさが必須にも思います。

最近よく和牛を説明する時の例えとして、銀メダルの象徴でもある浅田真央が使われていて、技術面諸々、それもわかるー!ってとても思いますが、要はバンクーバーオリンピックの曲選びのような。

トリプルアクセルやテクニックに拘る浅田真央が選んだ、重い暗めのラフマニノフの「鐘」。勝ち切ったのは、天にも昇る晴れやかなガーシュウィンのピアノ協奏曲を選んだキムヨナ。そんな差のイメージです。

さておき、1本目を見る限り、きっと決勝2本目に用意していたのは、私が2018年の単独で見た「引っ越し」だったのではないかと。あの時初見で楽しかったのを覚えていますが、ほぼセンターマイクを無視してたので、最終的にどう仕上がるのか楽しみにしてただけに見れず仕舞いなのは残念。

「内見」した後の「引っ越し」。2個セットで挑んでたという意味では、伏線回収も恐ろしいことになってそうなので、最早芸術作品では。

2個セットだからこそ、準決勝のネタに悩んだと思いますが、準決勝のネタチョイスは凄く悔やまれます。この準決勝を見ていたので、上沼さんの発言も完全に否定はできない。あのネタで決勝進出を決めるのは厳しいと分かるはずなので作戦と信じたいところですが、そんな挑み方していたと信じたくもない。

結果、全ては、3年連続準優勝で擦り切れ、特に準決勝から敗者復活戦はもう、背水の陣だったのでしょう。

今年を最後にと挑んだようですが、あと2年残ってます。1年しっかり休んで、ラストイヤーの逆襲とか?ゆっくりみんなで見守りたいですね。

(ここでNSC26期同期補足。今回敗者復活戦で和牛の前は天竺鼠。本戦は前がかまいたちでした。まさかのこの同期リレー。苦しんでる和牛をみんなで底上げしてプッシュしたようにも見えて、川原さんが「先に上がらせてもらうから、頑張りや~」と後押ししたバトンに見えたのは、ファンの妄想なんでしょうねw。)

「令和の伝統芸能」すゑひろがりず

バッキバキベテラン高得点の漫才が続いて、「もう決勝戦の2枠は埋まってしまったのではないか?」と不安になる視聴者の気持ちを盛り返してくれた、すゑひろがりず。結成8年の吉本興業。

The NIGHTの後日談によれば、かまいたちと和牛が出てしまい、「この後番組大丈夫か?ここは鼓を持っている変な俺らが行くしかない。ここは俺らに行かせてくれ。」と言っていたら、本当に笑神籤で呼ばれたっていう神が降りた奇跡。最高にかっこいいエピソードもゲットできた、ひた向きさ。

この「合コン」ネタは準決勝でも披露してましたが、もう笑わずにはいられない。こんな天晴れな芸をM-1という漫才決戦に持ってこれた令和新時代。アルコ&ピースのラジオでも「M-1だっつってんのに」と言いながら面白くて笑っちゃったって感想w。

ショートコントの詰め合わせなので、シンプルでついて行きやすく、ポージングもハマり、なんてったって鼓の(ポン)がありますからw。時々普通に戻って漫才らしさを残すところも、なんか好きです。

そして敗退していくときの「良いお年を(ポン)」。もう怖いものないです。今後劇場から地方営業から、笑点からゴールデンまで、きっとなんでもいけます。だって単純に、見たいw

何より、この芸風で行こうと2人で決めて、極めて、ここまできたことが何とも感無量。出会いといいますか。

かなり変わり種なので、当初お笑いを始めた時から思い描いていたものを軌道修正して、この芸風でいこう、とお互い同じくらい強い気持ちを持ち、M-1の決勝まで上りつめたことが素敵だなあと。

和服も全て似合ってましたよ。絶妙に年齢不詳なところもw。

とても大事な大事な、貴重な存在でした。この大会をうまく舵取りしてくれたことにファンからありがとうとお伝えしたい!

「火の国ストロング」からし蓮根

見ましたか、OP煽りVで抜かれたツッコミ青空くんの挑戦的な笑顔をw。あれが彼の魅力ですよね。フレッシュな結成6年の吉本興業。

ネタは準決勝でがっつりハマった「教習所」ネタ。教科書っぽい段取りなので、ボケツッコミ、ボケツッコミの交互感があって、途中少しもたつきますが、ハッとするのが図体大きいボケの伊織くんがいきなり車から降りて捌けるところ。

追いかける青空くんの演技力が光ってます。キャラ的にもあそこはおどおどではなくて「驚き」の演技でしっかり追いかけるからこそ、最後轢かれた後のキレっぷりが光ってるなーって思って見てました。

後日からし蓮根のレギュラーラジオで、青空くんが東京行きを意気込む中、伊織くんが実は東京進出したくなかったので悩んでいた気持ちを話していましたが、そういう気持ちやズレがストッパーになっちゃうのかもなあ。そこが今回の大会での最年少、唯一の20代である若さのハードルだったかもしれないですね。

サンドウィッチマンも決め手は「気持ち」しかないと自伝本で書いてましたので、少し数年かけて気持ちの軸を固めていけば、違う形で花が開きそうです。

GYAO配信の反省会でパンクブーブー佐藤さんが「上手すぎる。でもそれだけで太刀打ちするのは難しいから若手の荒削り感が欲しい。」のようなこと言っていて、中川家礼二さんもラジオで「ボケを精査したほうがいい。いらないボケは切ったほうがいい」と超具体的。なるほどなあ!と。確かに。

具体的なアドバイスも飛ぶ、期待された若手。

これからが楽しみですね!

「真逆の個性」見取り図

絶妙なタイミングで出てきた見取り図。結成12年の吉本興業。

出順的に一番不安定なポイントにも関わらず、直前で上沼さんがいきなり和牛にキレ出したのでw、少しうねった怪しい空気が漂った時間帯になってしまいました。これは要らぬ障害でしたね。

ラッパーバトルのように畳みかけ、パワーワードが何よりも強みのストロングスタイル。お互いのことを言い合う世界観は、リングっぽい感じです。

準決勝と同じ「第一印象」ネタ。劇場予選は着々とトップウケ通過の勢いで来ましたが、2018年とはまた違う形で今年も出順のハードルがあったように思います。あと佐久間宣行さんがラジオで言っていた、世間的に相手をディスるネタが昔ほどハマらなくなってしまった点は、ぺこぱなどの流れもあって余計強調されたかもしれないですね。

途中盛山さんが噛んだところをアドリブでリカバリーする場面があり、この技術がすごいのもわかるのですが、リカバリー入れちゃうと世界観が途切れてしまう違和感に気づきました。寄席っぽくなっちゃって、レースから下りてくる雰囲気になります。ずっと臨戦態勢でいて欲しいのです。

あと後半の盛山さんの「ケロケロケロッピを抱いて寝ている」が個人的に全くハマらずトドメ的に完全に突き放されてしまいました。なんでハマらないんだろうって一生懸命考えちゃったくらいw。

結果、本当に盛山さんはケロケロケロッピ抱いてるのかな?と、どこかで疑ってます。延いては、リリーさんとの応酬全部本当にそうなのかなー?と100%理解できてない不納得さがどこかにあるのかもしれないです。

なので、彼らを日々もっとよく追いかけて、彼らのことを知ってないと楽しくならないネタなのかも!と思ってみたり。

なんか勝手なこと書きまくりましたが、完全な趣味好みの問題ですね…キャラクターは楽しい2人なので応援したいのですよ!一つ大きく違ったのは、昨年より断然リラックスしている印象で安心感と見やすさは増してました。

松っちゃんからスーツの裾や塙さんから手の動きを指摘されてましたが、こういうツメが今後とても大切になりそうですね。

この2人は華があって、勢いがあって、凄くクセがあるのでハマる時はハマる。とても、博打のような賭け的な存在で、この種類の五角形は他にいないように思います。

(ここでかまいたちファン補足。今回決勝経験者はかまいたちと見取り図のみでした。お互い長年の旧知であり、濱家さんとリリーさんは家族以上の仲で常に一緒。かまいたちのラストイヤーをお供するのは、後輩ナンバー1の見取り図なんだな~としみじみしてました。)

「ナニワスパイラル」ミルクボーイ

予選から下馬評でダントツトップだったミルクボーイ。テレビで漫才を一切していなかったアングラ、結成12年の吉本興業。

準決勝で初めてネタを見ましたが、スクリーン越しにも関わらず、そのインパクトの記憶があります。師匠感。素手で瓦割って帰っていくぐらいの素材直球感。ひっそり海の中にいた鯨が水面に上がってきたぐらいのイメージでした。

提げに提げた「コーンフレーク」ネタ。内海さんの漫才師感たるや。声のトーンとか生粋の漫才師の血が流れているように感じ、少し銀シャリ橋本さんみたいな才能を思い出します。

丁寧にゆっくり喋ってくれるので、ついて行きやすいのと、こんなにも全員の「コーンフレーク」の偏見が一致していることに感動しましたw。

「ほな、コーンフレークとちゃうかあ。」の言い方にもとっても真心感あって、内海さんが駒場さんのことを思い、しっかり一緒に考えてあげてる雰囲気出せてて、それも今っぽいんですよね。これも一種の肯定系。

「揺さぶられた」と松っちゃんが言うほど、もう、途中から全員をさらっていったので、審査員の評価も納得。

結果、過去最高得点の681点これ以上の大物は今日はこないって思えるほどの圧巻笑いの神様が降臨しました。

大阪の仲間に愛され、劇場の出番枠を好意で譲ってもらうなど沢山の芸人さんに支えられ、全員で勝ちとった最高得点でしたね。

かまいたちが大会前から、ずっと欲しいと言っていた7番手。ラッキー7番手がミルクボーイに渡ったところから、少しずつ風向きが決まりつつありましたね。(ラッキボ〜イ♪ニューヨークより)

「新・東京スタイル」オズワルド

決勝終わってみれば、一番話題になっているのがオズワルドかもしれないですね。結成5年の吉本興業っぽくない吉本の超フレッシュフェイス。

ミルクボーイの後っていう怖い現場。予選でもトムブラウンの後で、常に破壊魔人の後の出番で運が悪そうに見えますが、そういう破壊型の後だからこそ、彼らの良さが引き立ったように感じました。トップバッターとかだとまたキツかったはず。

準決勝で一番好きだった「先輩と後輩」ネタ。絶妙にズレたボケとツッコミが面白すぎます。伊藤さんのツッコミが好み過ぎます。声も超良い。

「それはなんで?」このシンプルなセリフがなんであんなに面白くなってしまうのか、才能が凄過ぎます。

ミルクボーイで笑い疲れていた後に、ゆったりと聴きやすくて心地よく、寧ろこちらが伊藤さんのワードを待っちゃうあの感じ。あの伊藤さんの引きの力も好きです。

The Nightでハライチ岩井さんが売れるためにも衣装を変えたほうが良いって言ってましたが、確かに!普通のスーツでいて欲しいですね。

平場のトークは苦戦したイメージですがw、既にあの風格出せるなんて、これからが楽しみ過ぎます。

唯一、単独ライブ行ってみたいと思った組でした。

「ノンストップ」インディアンス

劇場を制して、敗者復活戦常連の呪縛を解き、ようやく掴んだ決勝戦。

せり上がってきた時に田渕さんが飛び跳ねてたので、若干心配に。彼らの鍵は田渕さんが無駄なアドリブを入れないことと、バレる小手先技術を使わないことだと思ってました。

準決勝と同じ「おっさん女子」ネタ。あれ〜ハマらないな~ハマらないな~いつものテンポが出ないな~出ないな~と思っていたら、実はネタが飛んでしまっていたという事実を田渕さんが打ち上げで告白。

なんと!!・・・そうだったのか。恐ろしいM1の舞台。これぞ試されるメンタルと冷静さですね。やり過ぎを心配していたのとは裏腹に、何も出来ない状態になっていたとは。

相方キムが「どこからやれば思い出してくれるのか」と動揺してたみたいですが、見直すとそれを気づかせない形で頑張って進めてました。となれば、もっと出来るのに、これは悔しい。

奇しくも今年アンタッチャブルが復帰したので、タイミング的にもいつも以上に「田渕さんはザキヤマになりたいのかな」って思ってしまった人も多いはず。NON STYLE石田さんがかなり濃厚なコメントしてましたが、一番同意できたのは根本的に「おっさん女子」に共感できないところでしょうか。

この形で来年また準決勝突破するには、更なる安定感が必要そうですが、頑張って欲しいですね。

にしても、今何よりも話題になっているのは、紹介Vで流れたキムの昔の写真w。それがフックになるとはw。

「ツッコミ方改革」ぺこぱ

令和時代にぴったりの肯定漫才、迷いに迷って辿り着いた結成11年のサンミュージック。10番手は完璧な出番順でしたね。

ノリツッこまないボケ

準決勝と同様に「タクシードライバー」ネタ。10組目の最後に肯定し続けて、平和な気持ちにさせてくれたパワーがすごい。一気にリチャージされた気分にもなりました。

若干、準決勝のほうがテンポよかったかな?って印象だったのですが、一つ一つハマり出して、シュウペイさんが絶妙にウザい爪痕残している感もあってw、見ている途中からいけちゃうかもなと予感しました。

とはいえ、負かせなければいけない相手は和牛。審査員の匙加減レベルに委ねられてたように思います。

結果、ほんの2点、和牛を上回る形で決勝へ通過した、令和の幕開け。大型モンスターを倒したときは、まさか!あの和牛が?!ウソ!なんと!そんなことあんの!ええ!すごい!ワクワク!みたいな何とも言えない感情が混じっていたように思います。

ちなみに今のところ、シュウペイさんはとっても苦手ですw。面白い面白くない以前に、ゾワっとするので、多分単純に生理的に苦手です。頑張って慣れていきたいと思いますw。

最終決戦-FINAL ROUND

「新時代の幕開け」ぺこぱ

順番決めの結果、トップバッターになっても「悪くないだろう」。なんて便利なワーディングが彼らにはたくさんあるんだ!

決勝本戦で取り扱うネタが「お年寄り」。超高齢化社会について触れ、1本目の労働時間に続き、あの雰囲気でまさかの風刺っぽくなるあたりも良い味出してて、他とは少し異なるところですね。

1本目と同様のスタイルで進んでいき、ちょっとぶつ切り感は否めなかったのと、今これを書きながら、1本目ほどの記憶にないのが実情です。

でも、ぺこぱの大健闘はみんなを惹きつけましたね。キャラと手法が伝わりきった後の2本目は、観客も審査員も期待値高めで見ていて、上手く笑いを乗せていました。

色んな人のコメントやラジオを聞きましたが、本当に注目度が高いぺこぱ。オリラジのあっちゃんが真似したい、オードリー春日さんがつける最高得点、若林さんはダイバーシティー時代のツッコミ改革に号泣、佐久間さんのテレ東スタッフは最終決戦見たいから仕事したくないと嘆き、山里さんが肯定漫才のパイオニアは自分だとライバル心をむき出しにする、もうみんな大好き過ぎるぺこぱ

大きく人生変わったはずです。

「技術者」かまいたち

泣いても笑ってもこれで最後。その最後のネタは「自慢=トトロ」ネタでした。

トトロを一回も見たことない、と山内さんが自信を持って自慢し始め、途中から「確かに自慢かも」って思わせてくる昨年のポイントカードパターン。このネタは2018年の単独ライブで私は見ましたが、そのとき一番好きなネタでした。(劇場記録2018 – きたぜ東京いたち

それ以降、このネタを見ていなかったので忘れかけていたぐらいでしたが、大会2週間前あたりから「劇場でトトロネタを卸してる」って噂が飛び交いはじめ、まさか・・・と。

今年の単独で卸した別の勝負ネタがあって、寄席でもそれをずっとずっと調整している様子だったのに、それをこの直前で完全に捨てたんだな、と。

トトロネタの方が好きなので私個人的にはテンション上がりましたが、何を心配したかって3回戦で涙流すほど笑った、すゑひろがりずのネタが「トトロ」だったこと。ここで被るのか・・・と不安になってましたが、最終的に被らずに済みました。

山内さんはインタビューでよく、漫才のネタ作りするときは「自分たちをわかってもらう事」を意識していると話していますが、今回もそれがたくさん散りばめられてました。

山内さんがトトロ見たことないっていうのは、その昔ラジオで実際濱家さんと口論していた記憶もあり、そして、濱家さんは本当にマジックがプロ級に得意です。

山内さんは実際「39歳」であり、コテコテの関西弁で攻めるときの濱家さんのツッコミが事実の「こいつ島根出身なのに」

「見ちゃってるのよ」の言い方をしっかり改良して、15年間柱にしてた山内さんのサイコパスキャラを押し出す、いっちゃってる目つき。

これまでの、かまいたちの漫才の要素と信念がすべて詰まった、ベストアルバムに見えました。

最後観客に問いかけるところは賞レースでやるには一種の賭けでしたが、濱家さんのセリフ、立ち姿、間の取り方はこれまでの中でも傑作。今まで見てきた濱家さんの中で一番、凛と空気を掴んで抑えてました。

東京進出して、少しずつ仕事を積み上げて、自信をつけた集大成。本当にかっこよかった。これは昨年では無理だったように思います。

ミルクボーイが過去最高得点叩き出して、ウィニングランを決めようとしている前。

2本ともネタパターンを替えバラエティを見せ、ありとあらゆるテクニックを全部詰め込んで挑んだ魂がどこまで評価されるかに身を委ねる形になりました。

関連記事:かまいたちM1グランプリ2019出場決定〜二冠を目指す15年目ラストイヤーの挑戦

「新星」ミルクボーイ

「うちのオカンがね」「分からへんのがあるんでしょ」で、もう笑いを取れるようになっていたので、開始5秒で笑いの波に乗って行きました

王者への船出。全員を味方にして、M-1の女神が微笑む中の滑走

「モナカ」一本で攻め続けますが、モナカの家系図出されたら夢広がっちゃいますよw。私にとっては、いつもマヂカルラブリーが見せてくれる夢に近い。この広げ方されちゃうともう無敵だな、と。もう二度とモナカを家系図無くして見れない革命。コーンフレークも同様に。

ぺこぱと同様に同じパターンで攻めていくスタイルなので、そこを最終的にどう評価されるかでしたが、もう押し切っていた空気はありましたね。

漫才師ドリームを手に入れたミルクボーイ

最終的にはミルクボーイ6票、かまいたち1票。一夜にして王者ミルクボーイが全国に知れ渡った、漫才ドリーム。

ミルクボーイおめでとう!ずっと駒場さんを筋肉芸人と思っていてごめんなさいw。そして、ずっと日の目を浴びなくとも、腐らず、可愛げが残ってるあたり、人柄ですね。そこが1番凄いです。

優勝した次の日からひっきりなしに仕事が入り、紅白出場まで決めました。夢がありすぎます。お笑い芸人全員の希望を背負った新星です。

今ふと見たら再生回数がすごいことになってる・・・やっぱりM1優勝の効果はえげつないですね。

松本人志の1票

決選投票は志らく師匠も上沼さんもみんな悩んだと言っていましたが、ここの思いもすべて乗せた、松本人志のかまいたちへの1票

毎年思いますが、松本人志の1票は、常に松本人志自身が最強の芸人である自負を持ち誰よりも芸人側であることを伝えてくれます

この1票の大きさよ。松本人志が入れる1票の価値。ここを最後かまいたちにあげたところが優勝できなくとも、芸人として約束された、未来への道しるべでした。

GYAO配信サントリーストロングゼロの打ち上げで千鳥ノブが「松本人志がかまいたち好きなの滲み出てて嫉妬した」と言ってましたが、とても分かります。本当に、松っちゃんが楽しそうで、愛でる目で2人を見ていて、本当に評価しているのが伝わりました。

ミルクボーイの優勝が見えてた中、全体的なことも踏まえ、最後は芸人・漫才師としての愛情で振り返ってくれた1票だと思ってます。準優勝のポジションにも導いてくれた大きな一手。

優勝も、1000万円も、二冠王も逃したかもしれないけれど、かまいたちはそれ以上の愛とリスペクトを得たと信じてます。

と、だいぶかまいたちにだけ思入れ強めの内容になってしまっていますがw、今回の大会ですごくいいのが、全組注目されていること。

多種多様な漫才があるので、視聴者がそれぞれ好きな形を発見できたり応援できたりしたことではないでしょうか。それぞれの笑いの良さがあり、誰が優勝しても全くおかしくない闘いでした。

ミルクボーイはスターの金メダル

かまいたちは技術の銀メダル

ぺこぱは新時代幕開けの銅メダル

と考えたら、完璧な結果でした。

過去最高の大会は過去最高のキャスティング

ここまで一気に書きました。一気に書けた理由は、全てから遮断された飛行機の中だったからw。年末年始の海外逃亡。VPNない中、移動中M-1関連のコンテンツを漁りました。(自分大丈夫かな・・・w)

過去最高レベルの敗者復活戦や、愛に溢れたコンテンツ量、審査員のキャラクター、反省会も打ち上げもすごく良くなってて、今年はいいところが沢山!書きたいことも沢山あるのですが、これだけ書いて息切れしてるので、勝手にまた書きます。

でも大きく感じたのは、

敗者復活戦は、野外でも負けない盛り上げ上手な陣内智則さん

その敗者復活戦を見守ったのは、歴代王者で今や名物になってきたNON STYLE石田さんと楽しいトレンディエンジェル

暫定ボックスは決勝経験もあって敗退者の気持ちが分かる落ち着いた麒麟川島さん、

反省会は座長の安定感ある小藪さんとM1王者たちの分析

打ち上げは兄貴肌で包み込む千鳥

MCは毎年テッパンの何でも出来る今田耕司さんと日本一の女性タレントで美しい上戸彩さん、

笑神籤を引くストロングハートのラグビー選手たち、

今年はキャスティングが完璧だったように思います。

時を逸したのもあり、文字通りの備忘録になりましたが、

漫才師はかっこいい!

お笑いは世界を救う!

こころを豊かにしてくれてありがとう!

では、本年もよろしくお願いいたします!(ポン!)

おまけ:このビデオがRADWIMPSで、かまいたちの花道が用意されたような気持ちでした!出囃子もRADWIMPSで野田洋次郎さんの応援がある2人なので。

(2020/1/13更新)M-1アナザーストーリー放送・配信

名物となってきましたが、カメラ120台回す裏舞台の全貌ドキュメント「M-1アナザーストーリー」。涙なしでは見られません!

毎度ながら過去映像のストックの多さに度肝抜かれます。2005年予選のミルクボーイ映像あるなんて凄過ぎます。要は全組撮ってますよね。

今年はミルクボーイ・かまいたちの二本柱に和牛を絡ませるテイストの編集になっていましたが、これはABCと吉本製作なのでぺこぱ少なめなのは仕方ない。そして、からし蓮根やその他若手がノータッチなのは今後の活躍に期待を込めて、だと思います。

感想としては、昨年2018年の方が好きだったかな〜。2018年の編集はすごい良かった。今年は輪をかけて、ちょっとあざといカラーが強めだったかな〜って印象w。でもオススメですよ!全国ゴールデンでやってくれないのが悲しいです。

TVer配信は1月28日まで!DVDパッケージに収録されると思います!

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